この記事は WP ZoomUP Advent Calendar 2021 の 13 日目の記事です。
こんにちは。
僕は鹿児島で今年の 7 月まで 14 年フリーランスとして WordPress を使った Web サイト制作・運用保守をやってきました。
現在は株式会社デジタルキューブでインバウンドセールスとして働いています。
目次
WordPress で Web サイトを運用するために掛かる費用とは
Web サイトって作って終わりじゃありませんよね、むしろその後が本題です。
運用するために必要な項目を挙げてみます。
- サーバ初期費用
- WordPress サイト構築
- サーバ運用費
- WordPress コアアップデート対応
- WordPress プラグインアップデート対応
- サーバメンテナンス
- ミドルウェアメンテナンス (PHP, MySQL など)
本来の目的である「コンテンツに集中すること」に加えて必要な費用や作業が結構ありますね。そこで、これらの項目を Web サイトを作成するまでを「イニシャルコスト」、公開後の運用を「ランニングコスト」と 2 つに分類して考えてみます。
注) サーバに関しては社外ホスティングサービスを利用する想定です。
イニシャルコスト
費用
- サーバ初期費用
作業
- WordPress サイト構築
ランニングコスト
費用
- サーバ運用費
作業
- WordPress コアアップデート対応
- WordPress プラグインアップデート対応
- サーバメンテナンス
- ミドルウェアメンテナンス (PHP, MySQL など)
ざっくりこのくらいでしょうか。
まだ細かくリストアップできそうですが、ここはざっくりと。
WordPress の今年のアップデート回数
WordPress はオープンソースのユーザー主導のプロダクトです。
WordPress への参加・貢献 | WordPress.org 日本語 https://ja.wordpress.org/get-involved/
多くの人の貢献で常にメンテナンスされています。
今年の WordPress コアのアップデート回数を見てみましょう。
News – Releases – WordPress.org https://wordpress.org/news/category/releases/
2021 年は今日までに 23 回ありました。(Beta 版を含む)
5.7 Beta 3 から 5.9 Beta 2 まで。
実際は Beta 版はプロダクション環境ではアップデートを実施しないと思うので、6 回でしょうか。
今年は約 2 ヶ月に 1 回コアアップデート作業していることになります。プラグインが含まれると、使っているプラグインによりますがもっと増えますね。
WordPress は便利な自動アップデート機能もありますが、企業のサイトやメディアなどでは、アップデート前のバックアップの取得や、アップデート後の慎重な動作確認といった作業が必要になります。
WordPress の自動アップデートについてはわかりやすい記事がありますのでぜひご活用ください。
【参考】
WordPress のメジャーアップデートとマイナーアップデート、自動アップデートについて整理
https://capitalp.jp/2017/05/22/wordpress-major-minor-release-and-automatic-updates/
実際僕もお客様の Web サイトの運用保守を現在もやっていますので、WordPress アップデート作業以外にもサーバメンテナンスなどが重なると 1 日全てメンテナンス作業していることもあります。
WordPress は世界で最も高いシェアの CMS
WordPress は現在、全ウェブサイトの 40%超 で使用されており、CMS 市場シェアの 65% です。人気があればそれだけに攻撃の対象になりやすいです。
使い慣れた WordPress で作成した Web サイトを安心して運用するためにはメンテナンス必須です。
【参考】
Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems, December 2021 https://w3techs.com/technologies/overview/content_management
WordPressを対象とした攻撃が全体の半数、「FileManager」の脆弱性悪用が目立つ | ScanNetSecurity https://scan.netsecurity.ne.jp/article/2021/04/28/45591.html
運用とコストのバランス
ここでもう一度 WordPress で Web サイトを運用するために掛かる費用について考えてみます。
ランニングコストの作業部分を WordPress に関する作業とそれ以外に分けてみます。
WordPress に関する作業
- WordPress コアアップデート対応
- WordPress プラグインアップデート対応
WordPress 以外の作業
- サーバメンテナンス
- ミドルウェアメンテナンス
これら 2 つの作業に対して必要なリソースを確保した場合の費用を考えてみると、以下のような計算になります。
ランニングコスト (作業) = 1 人分の費用 (お給料) × 2 × 12
【参考】
システム運用・保守に関わる人材の平均年収
https://mynavi-agent.jp/helpful/income/category/it_10.html
まとめ
WordPress で Web サイトを運用するために掛かる費用には、イニシャルコスト (初期費用・作業) とランニングコスト (保守・運用・維持等のための費用・作業) があります。
ランニングコスト: 費用
- サーバ運用費
ランニングコスト: 作業
- WordPress コアアップデート対応
- WordPress プラグインアップデート対応
- サーバメンテナンス
- ミドルウェアメンテナンス (PHP, MySQL など)
これらの作業に多くの時間が必要。本来の目的である「コンテンツ」に集中したい。
リソースを確保するにも、運用とランニングコストのバランスが難しい。
という点に辿り着きます。
解決方法を考えてみました。
- マネージドなホスティングを活用する
自分でサーバを管理するのではなく、サーバやデータベースの管理・バックアップが含まれているホスティングサービスを利用する。
【例】
AMIMOTOマネージドホスティング - 1. に加えて WordPress のアップデートにかかる保守をアウトソーシングする
WordPress のアップデートオプションも提供されているケースがあるため、自社のエンジニアが対応するよりもコストメリットがあります。
- SaaS を利用する
- WordPress.com
SaaS なのでサーバ管理は不要 - Shifter
サーバ管理だけでなく、WordPress アップデートも自動化されている
- WordPress.com
他にもあるかも知れませんが上記のような方法でしょうか。
SaaS は自前のサーバでの運用に比べると制約がありますが、目的とフィットすれば比較的コストパフォーマンスが良いと感じますので、SaaS が利用可能か検討して、フィットしない場合はマネージド型のホスティングを選択すると、バランスの良い運用ができるのではないでしょうか。
以上、WordPress で Web サイトを運用するために掛かるコストについて考えてみたお話でした。やはり、「運用」と「費用」のバランスですね。
次は、Tetsuaki Hamano さんによる「theme.json全まとめ」です。
お楽しみに!