第21回日本義肢装具士協会学術大会へ参加してきた

2014年7月5日、6日の2日間、金沢歌劇場で開催された、第21回日本義肢装具士協会学術大会へ参加してきました。

出発前。
出発前の自宅にて。意気揚々とでっぱつ。とか言いながら実際まだ装具になれていなかったりする…(^0^;)

義足のモデルもちろん初体験。

  • 日時:7月6日〜7月7日
  • 会場:金沢歌劇場

僕はRHEO KNEE3という先日書いた記事Össur 社製の膝継手を装着して、パシフィックサプライのブースでデモをする係 😀

前日入り

鹿児島から会場のある石川県金沢市までは当日の移動では間に合わないと言うことで、前日入りしました。 国内線を使っての移動で乗り換えをするのは生まれて初めて。

乗り継ぎ。鹿児島→羽田→小松の乗り継ぎ。
鹿児島 → 羽田 → 小松の乗り換え。空港内の移動はショートカットあって便利だったけど、メシをのんびり食べる暇はあまりなかった。。

小松行きの飛行機の中は、心なしか石膏が付いた黒い鞄が多く、きっと義肢装具士が多く乗っているのだろうと思われました。
だってね、異様におっさんが多かったんすよ。。

さて、小松空港からはバスで宿に移動。当然ながらリムジンバスもおっさんだらけ…。。異様な雰囲気と香りに包まれた車内は何とも言えない世界でした…^^;

宿へ移動中バスの中から。
今どの辺かなぁと思いつつMap Appを見たんだけど、結局土地勘がないので自分の位置はぼんやりしたまま…^^;

ホテルにチェックインを済ませると、直ぐに会場へ。明日の本番に向けて、義足のチェックと担当の方との初顔合わせなどを済ませます。

パシフィックサプライブース
準備中のパシフィックサプライブース。 普段あまり自分以外の義足やその他の装具は見ないので、楽しい 😀

初体験なので全てが新鮮。まぁ当然と言えばそうなんですが、普段見ることにない様々な装具がそこかしこに並べられていて、やや興奮気味でした。

アライメントどんぴしゃ!!

担当の方々と顔合わせが終わったら、義足の調整です。
義足とは、僕の場合、大腿切断なので、断端を収納する「ソケット」、擬似的に膝関節の動きをになってくれるメインとも言える部分の「膝継手」、加重を受け止めてしなやかに歩ける様にする部分の「足部」の3つのパーツが合わさって義足となります
今回はオズール社から義肢装具士のNickが来日していて、義足の調整をしてもらいました。
Nickはメルボルンからなんだそうです。

オズール社のエンジニアNick。陽気なおじさん。
メルボルンからやって来たNick。オズール社の義肢装具士でこの道27年のベテランです。

コミュニケーションがいきなりの英語… ( ꒪⌓꒪)

通訳の方がいらっしゃったので問題はなかったけど、最近身の回りで英語を耳にするようになりました。
Nickは僕を何度も歩かせ、その歩く様子を見ながら何度も調整を重ねていきます。
あ、ここで言う調整とは、ソケットと膝継手、足部はそれぞれピラミッド型をしたパーツと、その四方に付いたネジがあるのですが、そのネジをまわしてソケットや膝継手、足部など各ジョイント部分を左に傾けてみたり、前後にずらしてみたりする作業のことです。
まさにアライメントセッティング 😀 何度か歩いている内に、蹴り・送り・接地などどの場面でもスムーズになっていました。
そして、立位の自然さと言ったら今まで味わったことの無いくらい自然な「立ち」ができる感覚でした

セッティングどんぴしゃ後の様子。
骨盤が水平になって、どこにも無理の無い状態でまっすぐ立っていられる感覚は数十年ぶり。

決して今までが立ちにくいとかそういったことでは無く、でも極めて自然に立っていられるのです (^^)
膝の硬さなどの内部的なセッティングはBluetoothでPCから更に細かく設定してもらいました。
僕は膝は柔らかめが好みで膝回し運動ができるくらいまで落としてもらい、明日の準備は万全です!!

 学会当日

9:30集合だったのですが、少し早めに到着。会場は既に全国から集まった義肢装具士さんでごった返していて熱気ムンムン。
昼過ぎにはかなりの人になっていました。

昼を過ぎて、会場はかなりの熱気だった。

肝心の僕の出番は3回。

先ずはNickが新型のRHEO KNEE3の解説を英語で話して、パシフィックサプライの営業の方が日本語で通訳をするという流れでした。
Bluetooth接続した状態のPCからリアルタイムで僕の加重の状況などを見せた後、実際に僕が歩いたりスロープを行き来したり階段を行き来したりのデモを披露します。

このデモの後、義肢装具士さんや実際装具を使っている方からの質問などに答えるのが今回の僕の役割でした。

後日談ですが、実際使っている人間の感想ってかなりインパクトがあったようで、デモ係としては仕事を果たしていたようです (^^)

各ブースを見学

これらのデモを初日3回、2日目1回こなしました。その他の時間は各ブース内を見ることができたので、各社様々な装具を見ることができました。

驚いたのは、防水の膝継手が出品されていたことです!!
防水って普段そうそう必要になることはないんですが、洗車とか、河原遊びとかちょっとした場面では欲しいなぁと思っていたので、そういう存在があると言うことは、僕だけでなく、世の大腿切断者も欲しい機能のひとつなんだなぁと感じました。

防水の膝継手発見!
デモビデオではオフロードバイクに乗って走り回ってたw 泥まみれの膝継手をザブザブ洗うシーンも!! こちらイギリス製。 軍人さん向けに作られていたものらしい。

恩人とも言うべき方にお会いする

そして、僕が治らない足を諦めて切断する決心になったデモビデオの中にいた方にも会うことができました!!

ottobock社製のc-legという高性能膝継手のデモをされていたナカウチさんです。

ottobock社のナカウチさんと
ottobock社のナカウチさん。この方がc-legという膝継手を装着して自然に歩いているビデオを見て、「僕もこうなりたい!!」っと思って手術を決心した言ってみれば恩人。貴重な話を沢山聞けた (^^) c-legはドイツ製。

ナカウチさんも現在ottobock社の最新の義足を使用されているそうで、その話も聞くことができました。
また、ottobockの3R-80なども完全防水になっているそうで、今後膝継手は防水+電子制御な方向へ進むだろうというお話しも聞きました。
防水になるとまた行動範囲が広がりそうで楽しみです。

ヘルスエンジェルスの選手会長にも会えた!!

義足ランナー: 義肢装具士の奇跡の挑戦という本を読んで僕も走ってみたいと強く思うようになりました。その本の中にこのヘルスエンジェルスのことも書かれていて、今回の学会でもしかしたら中の人に会えるかも?と期待していたので、とてもラッキーでした 😀

お会いすることができたのは選手会長の水谷さん。

昼メシをご一緒しながら走るコツを教わりました (^^)。
小走り?は何となくできていたんですが、どうやったらもっと「走ってるっぽく?」なれるか悩んでいたので、大変参考になりました (^^)

ヘルスエンジェルス選手会長の水谷さんと
2日目の帰りに水谷さんと。 東京必ず見学に行きます!!

刺激だらけの2日間

いやもう、ほんとに刺激の多い2日間でした。

今まで自分の大事な部分である義足のことはほとんど意識せず使っていました。意識せずというよりも、気にしていないというか。。

でも自分の使っている装具、自分の身体のことにもっとフォーカスしろ!! と言われたような体験だったと思います。

オズール社の皆さん
オズール社皆さんと。 貴重な体験ありがとうございました!!

鹿児島に帰り着いたあと連絡をいただいて、今回デモ用に使用したRHEO KNEE3をフィールドテストとしてしばらく履くことになりました。

また、大腿切断用のライナー式吸着ソケットも今後テスターとして参加することになりました。こちらもワクワクしています。

岡山の義足学会にも参加決定!!

第30回 日本義肢装具学会学術大会

  • 日時:10月18日〜10月19日
  • 会場:岡山コンベンションセンター

いやぁ嬉しいです!!
こういった場所で貢献できるってホント嬉しいっす 😀
これもまた書きたいと思います。